「ライオンキング」の演出を手がけた
舞台演出家のジュリー・テイモア
テイモアは、
日本やインドネシアの文化から
大きな影響を受けたといいます。
舞台演出には、
アジアの舞台芸術の手法を
たくさん取り入れました。
そのひとつが「影絵」です。
神秘的な影絵の秘密
影絵というのは、
紙や木で作られた人形に、
後ろから光を当ててできた影を
スクリーンに映し出したものです。
影絵を使ったお芝居は
世界中で親しまれ、
様々な国に影絵芝居を行う劇団があります。
「ライオンキング」の中では、
シンバがムファサの後について歩く姿などが
影絵で表現されています。
「ライオンキング」の
影絵演出のもとになっているのは、
インドネシアの
影絵芝居「ワヤン・クリ」です。
ワヤン・クリ（Wayang Kulit）とは、
インドネシアのジャワ島やバリ島で行われる、
人形を用いた伝統的な影絵芝居です。
ワヤンは元々「影」、
クリは「皮」を意味しているといわれ、
人形が牛の皮でつくられいることに由来しています。
ワヤン・クリの歴史は古くて、
確かな記録では10世紀には
すでに演じられていたといいます。
演じられているのは古代インドの叙事詩（じょじし）
「マハーバーラダ」や
「ラーマーヤナ」が中心でしたが、
結婚式のお祝いの劇や、
路地裏での社会風刺劇として
演じられることもあります。
▼写真は叙事詩（じょじし）「マハーバーラタ」の一場面です。
ワヤン・クリは、
伝統と新しさを両立させながら、
今もインドネシアの
大切な文化として根づいています。