ダンスミュージカル「キャッツ」
原作は、詩人T・S・エリオットの
キャッツ-ポッサムおじさんの猫とのつき合う法-
という詩集です。
作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーが、
この詩集をもとに作曲したのが、
ミュージカル「キャッツ」のはじまりです。
T・S・エリオットの
「キャッツ ポッサムおじさんの猫とのつき合う法」
この猫詩集は、
エリオットが自分の勤める
出版社の社員の子供たちのために書いたものです。
エリオットの詩集
「ポッサムおじさんの猫とつき合う法」は、
15編の詩から構成されていますが、
そこに一貫したストーリーはなく、
一編一編が独立した作品です。
このエリオットの詩集
「ポッサムおじさんの猫と付き合う法」から
ミュージカル「キャッツ」を作り上げたのは、
「ジーザスクライストスーパースター」
「オペラ座の怪人」で有名な、
作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーです。
ロイド=ウェバーが、
いくつかの詩に曲をつけた段階で、
T・S・エリオットの未亡人が、
詩集に入っていない未発表の
「娼婦猫グリザベラ」を持ってきてくれました。
暗い過去を背負い、救済を願うこの猫を、
エリオットはこの詩を書いてはみたものの、
『キャッツ』は
もともと子供向けの詩集ということもあり、
詩集には収録しませんでした。
しかし、このグリザベラの持つ暗く悲劇的な要素こそ、
原作を支配する祝祭的な“ハレ”の舞台空間に
ドラマ性を付け加えるものでした。
これを加えることによって、
ロイド=ウェバーが求めていた
ミュージカル『キャッツ』が完成し、
そこに、原作には存在しない
少女猫のシラバブやヴィクトリアたち
も登場させて、
祈りと救済と再生の物語を作り上げました。
ミュージカル「キャッツ」は
はじめにエリオットの詩があって、
次にロイド=ウェバーが曲をつけて、
そして、
ストーリーとテーマがつくられたということです。
キャッツは
エリオットの詩集がベースになっているため、
断片的でまとまりがない感じで、
ストーリーがあまり感じられず、
あったとしても、
それが何か取って付けたような
感じがしてしまって、
一見、分かりがたいものになっているようです。
>>キャッツ―ポッサムおじさんの猫とつき合う法 (ちくま文庫)
エリオットの詩のいくつかが絵本になっています。
絵を描いたのは、エロール・ル・カインです。
日本語訳は詩人の田村隆一さんです。
>>魔術師キャッツ―大魔術師ミストフェリーズ マンゴとランプルの悪ガキコンビ