今までオペラグラスを使ったことがなかったけど、
舞台を観る機会も増えたし、
初めてオペラグラス(双眼鏡)を購入したい。
間に合わせで買った1000円くらいの
オペラグラスを使っているけど、
やっぱりあんまりよく見えない。
という方のために、
オペラグラス(双眼鏡)の性能と
ミュージカル用オペラグラスの選び方を紹介します。
まずはミニ知識
オペラグラスと双眼鏡の違いって?
観劇用に製品化された双眼鏡のことを、
オペラグラスと呼んでいます。
観劇用双眼鏡≒オペラグラス
ということになります。
商品名で分かる双眼鏡の性能
双眼鏡の性能の中で最も基本となるのが、
双眼鏡本体に印字されている
3つの数字
○×△ ◇°という表記があります。
○ :倍率
△ :対物レンズの有効径
(対物レンズ:目をくっつける方とは逆のレンズ)
◇°:実視界(双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲)
商品名にも
○×△(倍率×対物レンズの有効径)が書いてあります。
ヒノデ双眼鏡: 5 × 20 – A3 は、
倍率が5倍で、対物レンズの有効径20㎜ということです。
双眼鏡の選びの基礎知識
倍率
まず最初に、勘違いしている人が多いのですが、
「倍率が高いほどよく見える」
6倍よりも8倍、
8倍よりも10倍の方がよく見えるのでは?
と思いがちですが、違います!
(実は、私もそう思ってました^^;)
そもそも倍率というのは何か?
10倍の双眼鏡というのは、
何が何の10倍なのでしょうか?
これは、
10倍の双眼鏡で、800m先の物を見たとき、
800÷10=80で、
80mのところから
肉眼で見たのと同じ大きさで見えるということです。
8倍の双眼鏡なら
800÷8=100mで、
100mのところから肉眼で見たのと同じということです。
8倍遠い距離からでも同じ大きさに見えるのですから、
8倍の双眼鏡といいます。
倍率は「その大きさ」で
見ることができるというだけのことです。
倍率が高ければ高いほど、
目標物に近づいて見ていることにはなります。
それだけで、
見やすい双眼鏡とは限らないので、注意してください。
対物レンズの有効径
対物レンズの内径を
「対物レンズの有効径」と言います。
対物レンズというのは、
覗くのとは反対側のレンズのことです。
覗く側のレンズは「接眼レンズ」といいます。
同じ倍率のとき、
対物レンズの有効径が大きいほど集光力があり、
解像力と明るさが向上します。
でも、
レンズ(の有効径)が大きくなると
双眼鏡自体も大きく、重くなります。
実視界
双眼鏡を動かさずに見ることのできる範囲を、
対物レンズの中心から測った角度です。
実視界が大きいほど見える視野は広くなります。
たとえば
動きの速い野鳥を視野に入れておくためには、
実視界が広い双眼鏡がむいています。
明るさ
双眼鏡の性能の一つに
双眼鏡の「明るさ」があります。
双眼鏡の”明るさ”って何か?
双眼鏡の”明るさ”ってあまりなじみのない値だと思いますが、
双眼鏡の性能表を見るとちゃんと載っています。
双眼鏡の明るさというのは、
この倍率とレンズの有効径から計算できる数値で、
対物レンズの有効径を倍率で割ったものがひとみ径
ひとみ径の二乗が明るさになります。
倍率 5倍×対物レンズの有効径 20㎜ の双眼鏡の場合
ひとみ径:20÷5=4㎜
明るさ:4×4=16 となります。
明るさが違うと何が違うのかというと、
見え方の「鮮明さ」が違います。
10倍の双眼鏡だったら、
10倍近い距離の大きさで見えるのですが、
それはあくまでも
”その大きさ”で見えるということで、
倍率が高くても明るさが足りないと
対象がボンヤリしてしまいます。
ミュージカル用の双眼鏡の選び方
オペラグラスを選ぶには、まず会場の規模を確認しよう
■双眼鏡の倍率を選ぶ
では、ミュージカルを観るのにはどんな双眼鏡が良いのか?
見たい俳優さんまでの距離はどれくらいあるのか?
客席から舞台まで何メートルくらい離れているのか?
ということですが、
例えば、
四季劇場[夏]は
客席数が1200席
舞台前から客席最後列(22列)までの距離が25.5m
舞台奥行きが18.8m
ですから
舞台中央真ん中から客席最後列までの距離は
9.4m+25.5m=34.9mと
おおよそ35mくらいになります。
5倍の双眼鏡だと、35÷5=7m
(7mの距離から肉眼で見たときの大きさに見える。)
6倍の双眼鏡だと、35÷6=5.8m
(5.8mの距離から肉眼で見たときの大きさに見える。)
8倍の双眼鏡だと、35÷8=4.3m
(4.3mの距離から肉眼で見たときの大きさに見える。)
だいたい15mくらい近づくと、
人の顔の表情が分かるようになりますから、
10m以内まで近づけば、役者さんの表情は分かります。
ですから、
四季劇場では、5倍の双眼鏡で、
十分に役者さんの表情は見ることができます。
四季劇場は、他もそれほど変わりません。
一番大きな劇場が
四季劇場[春]で、客席数 1,255席
四季劇場[夏]は、1,200席
大阪四季劇場は、990席
新名古屋ミュージカル劇場は、990席
北海道四季劇場は、994席
福岡のキャナルシティ劇場は、1,144席
動きのあるミュージカルでは実視界の大きいものが有利
■実視界を確認する
コンサートの場合なら、見たいアーティストが
ほとんど動かないで歌っていますが、
動きのあるミュージカルでは
複数の役者さんが
一つの視野にバランスよく収まるものがいいので、
実視界の角度が大きいものが有利です。
劇場で見るミュージカルは明るさの大きいもの
■明るさを確認する
舞台の上は、スポットライトを
あびているときは明るいけれど、
暗いシーンや
舞台脇の小芝居を見るのには暗いので、
明るい機種がおすすめです。
明るさが高い双眼鏡なら
役者さんの表情をはっきり見ることができます。
小型・軽量で持ち運びに便利なもの
■双眼鏡の大きさ、重さを確認する
せっかくのミュージカルですから、
ちょっとオシャレして出かけたいものです。
移動時はバッグやポケットに簡単にしまえて、
使いたいときにサッと取り出せる。
軽量で、長時間使っても腕が疲れないものがいいです。
観劇中は、それなりの時間覗くので、重いと疲れてしまいます。
女性なら、200gまでのをおすすめします。
自分の手に合った使いやすいもの
双眼鏡は、購入する前に、
手にとって試してみることをおすすめします。
自分の手になじむ、使いやすいもの。
見たいとき、サッと使える自分に合った双眼鏡が一番です。
ですが、
店頭に双眼鏡をおいているお店ってなかなかないんですよね。。。
特に私が住んでいる岐阜の田舎では本当にないです。お店。
次回は、ミュージカル用おすすめのオペラグラス(双眼鏡)を紹介します。
実際に私が使っての体験談を交えてご紹介します。
使用感に関しては、個人の好みもありますので、
一個人の感想として、気軽に読んで下さい。